1. ゲーム背景
1.1 世界観設定
『ザ・キング・オブ・ファイターズ'99』(The King of Fighters '99)は、KOFシリーズの新たな幕開けとなる作品です。『KOF'97』で草薙京、八神庵、神楽ちづるがオロチを封印し、「オロチ編」は壮大な結末を迎えました。『KOF'98』はストーリーを持たない「ドリームマッチ」でしたが、1999年7月22日に稼働した『KOF'99』で、SNKは伝説の後の新たな章をどう描くかという大きな課題に直面しました。
その答えが「ネスツ編」です。
謎の組織「ネスツ」が暗躍を開始します。オロチ一族が超自然的な力を求めたのに対し、ネスツは高度な科学技術を持つ秘密結社であり、クローン技術、生体改造、機械強化を駆使し、遺伝子工学によって「完璧な人間」を作り出し世界を支配することを目的としていました。
物語は草薙京の失踪から始まります。オロチ封印戦後、ネスツは力を使い果たした京を拉致し、DNAを抽出してクローン実験を行いました。京の炎の力は複数の実験体にコピーされ、その最大の成果が本作の新たな主人公「K'(ケーダッシュ)」です。ネスツが新たなKOF大会を開催した際、K'と相棒のマキシマは組織を内部から破壊するために大会に潜入します。
一方、八神庵と草薙京は隠しキャラクターとして登場します。庵はクローンが京との宿命の対決を汚したことに怒り、京はネスツによる監禁と実験の経験から、トレードマークの学生服を脱ぎ捨て、黒いレザージャケット姿で登場します。この新しいデザインはプレイヤーから高く評価され、京のキャラクターとしての成長を象徴するものとなりました。
ネスツ編では、クローン、アイデンティティ、人体実験、記憶改竄といった重厚なテーマが導入されました。ネスツによって「兵器」として作られたK'は、自分の過去を知りません。自分が草薙京の代用品として作られたことを知った時、復讐が彼を突き動かす唯一の力となります。
1.2 開発の歴史
『KOF'99』は細川智之がディレクターを務め、西山隆志がプロデューサーを担当しました。西山氏にとって本作が最後のKOF作品となり、彼は2000年に会社の方針の違いから退社しています。キャラクターデザインは森気楼が担当し、クリザリッドのコートがなびくアニメーションは「ネオジオ時代で最も緻密なドット絵の一つ」と称賛されました。
開発チームの最大の課題は「京と庵に代わる新しい主人公をどう作るか」でした。デザイナーの井上は、寡黙で敵対的なアンチヒーロー「K'」を創造しました。その戦闘スタイルは「純粋な暴力」と名付けられ、熱血漢の京とは対照的な存在となりました。しかし、初期のロケテストでは「京も庵もいない」というプレイヤーからの否定的な反応が殺到しました。SNKは方針を転換し、二人を隠しキャラクターとして実装。京のイメージチェンジもプレイヤーや開発者から「SNKの最高傑作の一つ」と評価されました。
開発陣は京の学生服姿にも愛着を持っていたため、京の過去の技を継承したクローン「京-1」「京-2」という解決策を導入しました。これらはネスツのクローン実験という設定を活かしつつ、ファンへのサービスにもなっています。
本作最大のシステム革新は「ストライカーシステム」です。チームは3人から4人(3人出場+1人ストライカー)に拡張され、4人目のメンバーを呼び出して援護攻撃を行えるようになりました。SNKはこのシステムを通じて、より多くのキャラクターが使われることと、戦術の深みを目指しました。
2. キャラクター紹介
『KOF'99』には8つのチームに加え、隠しキャラクターやボスを含め、約30名のキャラクターが登場します。
主人公チーム(K'チーム):K'はネスツの改造人間で、京のDNAを注入され炎を操ります。マキシマは全身の大部分を機械化したサイボーグで、K'の唯一の信頼できる相棒です。二階堂紅丸は京の失踪により一時的に参加。矢吹真吾(ストライカー)は京の弟子として登場します。
餓狼伝説チーム:テリー、アンディ、ジョーのトリオは健在。不知火舞が初めて餓狼伝説チームの正式メンバー(ストライカー)として加わりました。
龍虎の拳チーム:リョウ、ロバート、ユリ、タクマ(ストライカー)の極限流コンビ。ユリの技は父や兄よりも柔軟で、タクマは道場主として実力は確かですが、主力からは徐々に外れる傾向にあります。
怒チーム:レオナ、ラルフ、クラークに加え、新メンバーのウィップが登場。改造鞭を操る彼女はネスツと深い関わりがあり、K'チームの誰かと血縁関係にあります。
サイコソルジャーチーム:麻宮アテナ、椎拳崇、鎮元斎に加え、新キャラクターの包(パオ)が登場。チームの平均年齢を下げるために追加されました。
女性格闘家チーム:キング、ブルー・マリー、藤堂香澄に加え、新キャラの李香緋(リー・シャンフェイ)が登場。中国拳法を操る彼女は、チームにスピード感をもたらしました。
韓国チーム:キム、チャン、チョイに加え、新キャラの全勲(ジョン・フーン)が登場。キムのライバル道場主として、異なるテコンドースタイルで新鮮さを与えました。
隠しキャラクター:黒いレザージャケット姿の草薙京、過去の技を継承した京-1と京-2、そして八神庵が登場。庵の「八稚女」のコマンドが逆回転から順回転に変更され、多くのプレイヤーの筋肉記憶を混乱させました。
ボス:クリザリッド:ネスツの上級幹部。K'のクローン(本人は逆だと思っている)。データ分析機能付きのコートを着用しています。コート姿と強化形態の2段階で戦います。キャラクターのドット絵が複雑すぎたため、ネオジオ版では容量制限で一部アニメーションが削除されましたが、後にドリームキャスト版『KOF'99 Evolution』で復元されました。
3. 操作方法
3.1 基本操作
| ボタン | 機能 |
|---|---|
| Aボタン | 弱パンチ (LP) |
| Bボタン | 弱キック (LK) |
| Cボタン | 強パンチ (HP) |
| Dボタン | 強キック (HK) |
| 前前/後後 | ダッシュ / バックステップ |
| B+C | ストライカー呼び出し |
| A+B+C | カウンターモードまたはアーマーモード発動 |
3.2 ストライカーシステム
ストライカーは本作の核心です。3人+ストライカー1人で構成され、B+Cで呼び出します。1試合につき3回まで使用可能で、画面下の「ストライクボム」で残数を確認できます。
攻撃型、牽制型、防御型など様々なタイプがあり、コンボの延長や、防御中の割り込み、起き攻めへの反撃として活用できます。IGNは「KOFの純粋主義者はストライカーを嫌う」と評しましたが、エンターテインメント性は向上したと認めました。
3.3 カウンターモードとアーマーモード
『KOF'98』のモードを統合し、2つの特殊状態を追加しました。
カウンターモード:攻撃力が大幅に上昇し、超必殺技が使い放題になります。制限時間付きで防御力は低下します。爆発的な火力を求めるならこちら。
アーマーモード:防御力が大幅に上昇し、のけぞりにくくなります。ただし超必殺技は使用不可。体力が少ない時の生存ツールとして有効です。
4. ボス攻略:クリザリッド
ボス背景
ネスツの幹部であり、K'のクローン。データ分析コートを纏い、プレイヤーのデータを収集します。敗北後はコートを脱ぎ、強化形態へ移行します。
第一形態:コート姿のクリザリッド
攻略のヒント:
- 中遠距離を維持すること。近距離は危険です。
- 飛び道具は厳禁。旋風バリアで跳ね返されます。
- 「タイフーンレイジ」の隙を狙って攻撃しましょう。
第二形態:強化形態
攻略のヒント:
- 第一形態より攻撃力が30%アップ。ミスが命取りになります。
- カウンターモードを第二形態まで温存するのが定石です。
- ストライカーを使って相手の攻撃を中断させましょう。
5. ゲームのコツと攻略
5.1 生存のヒント
- ストライカーの使い分け:コンボ、割り込み、反撃の3つのタイミングをマスターしましょう。
- カウンターモードの温存:ここぞという時の爆発力のために残しておきましょう。
- アーマーモードの活用:体力がピンチの時の最後の砦です。
5.2 K'の基本コンボ
- 入門:ジャンプ強K → 近距離強P → 「アイントリガー」→ 「セカンドシュート」
- 中級:ジャンプ強K → 近距離強P → 「アイントリガー」→ ストライカー呼び出し → 空中追撃 → 「チェーンドライブ」






