1.1 世界観設定
1988年、初代『ダブルドラゴン』の世界的な大ヒットを受け、Technos Japanが放った続編が本作『ダブルドラゴンII ザ・リベンジ』です。前作の「ヒロイン救出」という王道ストーリーとは一線を画し、冒頭から衝撃的な展開が待ち受けています。ヒロインのマリアンが街中でブラック・ウォリアーズに銃撃され、血の海に倒れるという、当時としては非常に大胆な演出が物語のダークな基調を決定づけました。愛する人を失ったビリーとジミーの兄弟は、復讐の炎を燃やし、血と火にまみれた戦いの旅路へと足を踏み入れます。
ゲームの舞台は街の通りや屋上から始まり、工業地帯、農場、森林、洞窟を抜け、敵の本拠地である要塞の深部へと突き進みます。プレイヤーの目的は誰かを救うことではなく、純粋な「復讐」です。なお、アーケード版ではマリアンの運命について、冒頭のシーンとは異なる結末が用意されています。特定の条件を満たしてクリアすると、実はマリアンが生き延びていたという驚きの展開が待っており、当時コインを握りしめて戦った多くのプレイヤーを驚かせました。
1.2 開発の経緯
Technos Japanは、1987年の初代『ダブルドラゴン』でベルトスクロールアクションの基礎を築きました。1988年、制作チームはより進化したアーケード基板を用いて、前作をあらゆる面で凌駕することを目指しました。より美しいグラフィック、滑らかなアニメーション、多彩な技、そして攻撃的な敵AIが導入されました。『ダブルドラゴンII』では、従来の「パンチ・キック」ボタンを廃止し、「左右攻撃ボタン」を採用。この方向依存の攻撃システムこそが、本作の最も象徴的な操作性となりました。
本作は世界中のゲームセンターで熱狂を巻き起こし、特に北米市場で莫大な利益を上げました。ベルトスクロールアクションの様式を確立し、後の『ファイナルファイト』や『ベア・ナックル』といった名作シリーズに多大な影響を与えました。1989年12月にはFC/NES版が発売されましたが、単なる移植ではなく、家庭用ハードに合わせてステージ構成や協力プレイ、有名な「対戦モード」などが追加された完全リメイク作品となっています。
二、キャラクター紹介
ビリー・リー(Billy Lee)——青い道着を纏った双截拳の正統継承者。兄であるビリーは、パワーとスピードのバランスに優れており、初心者にも最もおすすめのキャラクターです。足さばきとコンボのリズムが安定しており、正面からの殴り合いに強いのが特徴です。
ジミー・リー(Jimmy Lee)——赤い道着を纏ったビリーの双子の弟。ジミーはビリーよりもわずかにスピードと身のこなしに優れており、ヒット&アウェイを好むプレイヤーに向いています。ビリーと技構成は完全に同じですが、ビジュアルイメージと操作感にわずかな違いがあります。
キャラクター能力値:
| 能力 | ビリー | ジミー |
|---|---|---|
| パワー | ★★★★ | ★★★★ |
| スピード | ★★★★ | ★★★★☆ |
| テクニック | ★★★★ | ★★★★ |
三、操作方法
3.1 基本操作
『ダブルドラゴンII』アーケード版は、独自の操作レイアウトを採用しています。従来のベルトスクロールゲームにあった独立したパンチ・キックボタンを廃し、方向依存の攻撃システムを導入したことが、本作の核となるコンセプトです。
| 操作 | 機能 |
|---|---|
| レバー | 8方向移動 |
| 左攻撃ボタン | 左方向への攻撃 |
| 右攻撃ボタン | 右方向への攻撃 |
| ジャンプボタン | その場/方向ジャンプ |
| 左攻撃ボタン + ジャンプボタン | 反転キック(体力消費) |
3.2 方向攻撃システム
方向攻撃システムは、本作が前作と最も異なる点です。攻撃ボタンを押すと、キャラクターが向いている方向に応じて自動的に攻撃が繰り出されます。レバー入力と組み合わせることで多彩な技が発動します。背後の敵に対して攻撃ボタンを押すと肘打ちが出るなど、前後を挟まれた状況でも戦えるため、乱戦時の体験が大幅に向上しています。
主要技リスト:
| 技名 | コマンド | 特徴 |
|---|---|---|
| コンボパンチ | 攻撃ボタン連打 | 基本コンボ、約1メモリのダメージ |
| 天空破砕蹴(ハイパーニー) | ジャンプ中に攻撃ボタン | 本作最強の技、約2メモリのダメージ |
| 旋風脚 | ジャンプ後に攻撃ボタン連打 | 広範囲攻撃、体力消費あり |
| 昇龍拳 | 敵を掴んで上方向 + 攻撃ボタン | 敵を空中に打ち上げる |
| 肩車投げ | 敵を掴んで方向キー + 攻撃ボタン | 投げ技、他の敵にぶつけられる |
| 膝蹴り | 敵を掴んで攻撃ボタン連打 | 近距離高ダメージ |
| 反転キック | 攻撃ボタン + ジャンプボタン同時押し | 緊急回避技、体力消費あり |
四、ステージ攻略とボス対策
『ダブルドラゴンII』アーケード版は全9ステージ構成。街中からヘリコプター、水中基地、そして敵の要塞へと舞台が移り変わります。
**第1ステージ:街の戦い。**雑魚敵が中心ですが、囲まれないように注意。ボスはアボボ。パワーはありますが動きは遅いので、天空破砕蹴や背後からの攻撃で楽に倒せます。このボスは2回倒す必要があります。
**第2ステージ:工業地帯。**溝や落下ポイントに注意。忍者が登場します。防御は脆いので、旋風脚で一掃するのが得策です。ボスは2人の忍者リーダーです。
**第3ステージ:ヘリコプター内部。**狭い空間で、ハッチが7〜8秒ごとに開閉します。タイミングを見極めて移動しましょう。ボスは巨大な男2人組です。
**第4ステージ:水中基地。**狭い通路で両側から鋼爪男が襲ってきます。天井が低い場所では旋風脚が出せないので注意。ジャンプで天井に触れて着地した瞬間に膝蹴りを入れるループが有効です。
**第5ステージ:森林伐採場。**ヒゲの男の投げ技で穴に落とされないよう、右側に寄って戦いましょう。蒸気パイプは正確なジャンプで回避し、高台から旋風脚で敵を突き落とすのがコツです。
**第6ステージ:浮遊プラットフォーム。**頭上の松明から火が滴り、足場が消えたり現れたりします。難易度によってリズムが異なり、高難度では足場が瞬時に入れ替わります。
**第7ステージ:歯車トラップ。**回転する歯車と飛んでくる釘が難所です。歯車は一定周期で止まるので、タイミングを読んでジャンプしましょう。爆弾兵は壁際に追い詰めて連打すれば自滅させられます。
**第8ステージ:要塞前哨。**これまでの精鋭敵が総登場します。幻影ボスは雑魚敵の中では最高の体力を持っており、難易度が急上昇します。梯子を利用してハメるテクニックも存在します。
**第9ステージ:最終決戦。**ボスの体力は非常に高く、イージーでも14〜16メモリ、ハードでは20メモリ以上あります。しかし、コンボパンチで密着し続ければ、強力な回転攻撃を封じ込めることが可能です。
五、攻略のコツ
5.1 生存のためのテクニック
- 天空破砕蹴が最強:ジャンプ中の攻撃ボタンで出るこの技は、約2メモリのダメージを誇る本作最強の攻撃です。雑魚戦・ボス戦問わず主力となります。
- 旋風脚は計画的に:広範囲攻撃ですが、使うたびに体力を消費します。囲まれた時の緊急回避用として使い、乱用は避けましょう。
- 武器を活用する:ナイフ、バット、鞭、ダイナマイトは拾って使用可能です。投擲武器も非常に強力です。
- 画面端をキープ:多くのステージで、画面の端に位置取ることで敵の包囲を防ぎ、有利に戦えます。
- 投げ技で切り抜ける:敵が密集している時は、一人を掴んで投げ、他の敵を巻き込みましょう。
- 難易度による違い:ハードモードでは敵の反応速度と耐久力が大幅に上がります。棒立ちでの殴り合いは不利なので、ジャンプ攻撃を多用しましょう。
六、トリビアと伝説
オープニングの衝撃:マリアンが銃殺されるオープニングは当時大きな議論を呼びました。「姫を救う」のが当たり前だった時代に、ヒロインが冒頭で倒れる演出はプレイヤーの心理を大きく揺さぶりました。なお、特定の条件で「マリアン生存」の隠しエンディングが見られます。
左右攻撃ボタンの挑戦:パンチ・キックを廃した左右攻撃ボタンは、当時としては冒険的な設計でした。操作の幅は広がりましたが、慣れるまでは難しく、多くの初心者がコインを失いました。
FC版は別ゲーム:1989年のFC版は移植ではなく、完全新作です。ステージ選択や対戦モードなど、アーケード版とは全く異なる体験が楽しめます。多くのファンにとっての『ダブルドラゴンII』は、実はこのFC版であることが多いです。
『ファイナルファイト』への影響:本作の滑らかな戦闘リズムと方向攻撃の概念は、後の『ファイナルファイト』に多大な影響を与えました。
ワンコインクリアの難易度:本作は非常に難しく、海外版ではコンティニュー不可の筐体もありました。ワンコインクリアは当時のゲーマーにとって最高の勲章でした。
プラットフォーム要素の融合:ベルトスクロールにジャンプアクション要素を融合させた設計は当時としては先進的で、格闘ゲームファンを驚かせました。






